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【フードコラム Vol.6】 症状が出ることは悪いこと?

2020.08.09 HELLO! STUDIES その他 / 健康・ケア / うめだ阪急店 / 西宮阪急店

この季節になると体調の異変を訴える子が多くいます。

季節の変わり目で、痒がる、下痢をする、食欲不振などなど。多くの飼い主さんは症状が出ると心配で「何とかしなければ」と思い、〇〇が良いと聞けば与え、こんな方法で良くなったと聞けば試してみたりするのは、愛犬に対しての親心だと思います。

ただ、多くの飼い主さんが「症状が出るのは悪いこと」と勘違いしているのではないかと思います。

その思考から『本質的には悪化につながる』ことをやっていることも少なくはありません。症状には、ちゃんと意味があり、『身内の環境が悪くなって改善する時がきましたよ。何かを変えて下さい』というサインなのです。例えば痒みが出たときに「これ以上、このものが身体にあると、大変なことになるので、体内から出ていこう」というサインで「体内の環境が変わったので、一度リセットしましょう」と身体が訴えているわけです。ですから、排泄しなければならない物があるのに、その「症状のサイン」の意味を『悪』と思い、「痒みを止めなければ」と間違った考え方をして、無理に症状を押さえ込もうとし、排泄するべきものを体内に残しておくことが多く見受けられます。

『必ず元に戻そう!』という修正能力が身体にはあります。

これは人間より犬の方が強い傾向があります。このことから、全ての症状が、何らかの意味があり、身体が「元に戻そう」とする作用なのです。つまり、身体が正常化するときの「必要なプロセス」です。せっかく皮膚から排泄しようとする老廃物を、飼い主さんは封じ込めようとしている可能性もあるのです。

“あなたは、この子にそんなことをさせたいですか?”

ほとんどの飼い主さんは「ノー」と言うでしょう。もちろん生死に関わる症状であれば、無理やりでも押さえ込む必要がありますが、それ以外であれば、この「必要なプロセス」はとっても大切なことで、ほとんどの飼い主さんは勘違いをしているのではないかと思います。

症状は消さなければならないものでなく、根本的な原因を取り除くことをすれば、自然に良くなるものでを

●●を止めればいい

●●を消しさえすればいい

という考えをされている飼い主さん、「それあたり前じゃないの?」と思われると思いますが、やってはいけないことをやっている可能性があるので、まず、それを理解していただきたいと思います。

症状がある場合は、原因を取り除く方法を最優先に行って欲しいと思います。例えば、水分摂取量の不足はないか、細菌等の病原体はないか、化学物質は摂取してないか、摂取してはいけないものを食べていないか、ストレスはないか、などなど。水分摂取は前に書いたように、犬は毎日体重の10%(体重5kgの子は500CC必要)は摂取しているか?老廃物の排泄はほとんどがオシッコから出ます。水分を摂取できていなければ、悪いものも出なく、身体に残ります。

病原体や化学物質が原因の場合、どこから体内に入ってきたか?

フード?おやつ?丁寧に探ってみると、どんなものが体内から排泄できないかが推測できると思います。例えばフードを変えたら痒みが出た。珍しいおやつを与えたら湿疹ができた、など。いつも食べているものと違う原料はなにか?それを探って、それから排泄することを考えなければ、悪いものを出しても、また入ってきます。

摂取してはいけないものを食べているのもそうです。

皮膚のトラブルは熱がこもって炎症をしていると考えます。そのときに熱を出す食材(鶏肉、鹿肉、羊肉、牛肉など)を食べたら、また熱がこもって、治るものも治りません。フードだけでなく、おやつもそのようなものを与えると良くない傾向にあります。物質的にできることをやって、それでも良くならない時は、精神的なことかもしれません。飼い主さんのストレスが解決すると、愛くるしいモフモフの精神的な負担を軽くすることとなり、良い方向に変わっていくことが期待されます。

「●●を食べたらよくなった」

という話は、その子には合った食べ物だった可能性が強く、みんなが当てはまるとは限りません。逆に、「こんな症状の時は、●●は避けた方が良い」というのは、ほとんど当てはまると思います。トラブルのときは、薬ばかりに頼らずに、排泄方法や摂取制限も視野に入れて、愛情を込めた『ごはん』を与えることも大切な飼い主さんの責任ではないでしょうか?

この子は、あなたから与えられたものしか食べられないのだから!

 

2020年6月10日発行 CUUN 6月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次