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【フードコラム Vol.43】体は消化器官が基本

2023.07.23 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

身体は食べたものからできていると言われます

正確には食べたものを消化器官で消化・吸収した栄養素からできています。食べたものは口から胃に運ばれると消化液で分解され、栄養素を吸収しやすい状態になります。そして、十二指腸で膵液・胆汁によって糖質・タンパク質・脂質が分解され、小腸では栄養素のほとんどが腸液により分解・吸収されるのです。

食事に含まれる栄養素が小腸で吸収され

エネルギーとして利用されたり、筋肉や血液など体の構成成分になったりし、残った食べ物のカスは、便となって体の外に出されます。栄養素のうち、アミノ酸が吸収されなければタンパク質栄養障害になり、筋肉量が減少するだけでなく、病気や傷の治りも遅くなります。また、脂肪が吸収されなければ脂肪欠乏症のみならず、ビタミンAやビタミンDなどの脂溶性ビタミンも欠乏症状をきたします。

消化・吸収を高めるには

「腸活をすればいい」と思う方が多いですが、本来、消化・吸収は胃や小腸で行われることで、いくら体にいいものを食べても、胃や小腸の状態が悪く消化・吸収できなければ意味がありません。それどころか消化・吸収できない食べ物は、大腸で腐り、良いものを一生懸命取り入れても、腐れば体には悪影響になります。

愛犬が何らかのトラブルで

消化器官が弱っていたり、加齢により消化吸収能力が低下したりしているのに、サプリメントや体にいい食材を沢山あげても、逆に消化器官の負担になり、栄養不良になるだけでなく、下痢や胃もたれの原因ともなります。

消化器官をよくするには

「適度な運動をする」「睡眠を十分とる」「ストレスを減らす」この3つがとても重要です。この中でも犬にとって一番の大事なのは運動です。運動不足によって代謝は落ち、筋肉もつかなくなり、骨格や関節に問題が出てくる子や、運動不足でストレスにもなるなどいろんな問題が起こります。特にプードルやダックス、チワワは狩猟犬ですので、毎日適度な運動をしないといけない犬種ですが、運動不足によって足腰の筋肉が少なく、背中が曲がっていたり関節に問題があったりする子がいます。運動することで腸の動きが活発になり、胃や腸の粘膜が修復され、筋肉がつき、ムチン(糖とタンパク質が結合してできた多糖類の一種。涙や胃腸や鼻などの粘膜を保護することで様々な病気を予防する)が増えて腸のバリア機能がよくなったりします。

飼い主さんが愛犬のために

いくら体に良いものを与えても消化、吸収できなければ、体に負担をかけてしまいます。その前に消化器官の状態をよくするのが先決で、そのためにまずは「適度な運動をする」「睡眠を十分とる」「ストレスを減らす」この3つを実践してください。

 

2023年7月10日発行 CUUN 7月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次