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【フードコラム Vol.41】愛犬も5月病になるの?

2023.05.12 HELLO! STUDIES 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

ゴールデンウィークが明けた頃から

なんとなく気力が下がり、体のだるさを感じる「五月病」。五月病は医学的な病名ではありませんが、経験がある人も多いと思います。実は犬にも五月病のような症状があるのをご存知でしょうか。

愛犬が五月病の症状が見られる原因として

次のようなことが考えられます。

◎環境の変化・・・新年度で一緒に暮らしていた家族が就職や進学で家からいなくなって家族構成が変化したり、引っ越しをしたりなど、環境の変化がストレスになることがあります。

◎気温の変化・・・この時期は気温の変化が大きく、体温調節が難しい季節です。体温調節は自律神経で行いますが、温度変化が大きい時期は自律神経を消耗させて体調不良を引き起こすこともあります。

◎飼い主さんの心理状態・・・犬は飼い主の心の変化を敏感に感じ取ります。飼い主さんが不安なことがあったり、気持ちが落ち込んだりしているのを見ると、犬も元気がなくなることがあります。

犬が五月病になった場合の症状として

●軟便●下痢になる ●食欲がない ●散歩に行きたがらない ●いつも以上に吠える ●飼い主の手足をいつも以上に舐める ●粗相、家具やペットシーツをかじるなどの問題行動 ●眠りが浅くなる などがあります。

愛犬が五月病の症状が見られた場合の対処としては

①日光浴や散歩をする・・・日光を浴びたり適度な運動したりすることは脳内物質「セロトニン」を増やすことが知られています。セロトニンが増えると体内で抗ストレスホルモンが作り出されるため、ストレス緩和に繋がります。運動レベルは飼い主も犬も快適に感じる程度にしておくことが大切です。

②腸内環境を整える・・・セロトニンは大部分が消化管(腸)に存在するので、腸内環境を整えることがセロトニン増加につながりますので、善玉菌を増やす食事が大切です。「腸は第二の脳」と呼ばれ、精神活動と大きく関わります。

③トリプトファンの含まれる食材を与える・・・セロトニンの材料となるアミノ酸「トリプトファン」を多く含む食材を、与えるのも良いでしょう。カツオやマグロ、チーズなどの乳製品、納豆や豆腐などの大豆食品、バナナなどが挙げられます。アレルギーなども考慮しながら、愛犬が取りやすい食材を選び、いつもの食事にトッピングするのがおすすめです。

犬も人間と同じく、季節や環境の変わり目となる5月頃に体調を崩すことがあります

犬はとても愛情深い生き物のため、「犬は飼い主の状態を映し出す鏡」とも言われます。愛犬が心身不調の時や思いあたる原因がない時は、飼い主さん自身の心身がリラックスできているか振り返ってみると良いと思います。また、愛犬の心身不調を防ぐためには、日頃のスキンシップも重要です。できるだけ愛犬とコミュニケーションをとり、五月病に備えましょう。

 

 

2023年5月10日発行 CUUN 5月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次