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【フードコラム Vol.33】愛犬が残暑を乗り越える食事のヒント

2022.09.20 HELLO! STUDIES 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

9月になっても残暑が厳しく、暑さに弱い犬にとっては、まだまだ辛い季節です。

この時期まで暑さが続くと食欲不振になる子が多く、なかには嘔吐する場合もあります。犬は体温調節をほぼ呼吸だけで行う動物で、夏バテや熱中症になりやすいと言われています。人間よりも寒さに強く、暑さに弱い特性があり、人間が感じているよりもずっと暑さを感じます。特にパグやボストンテリアなどの短頭種や子犬・老犬は暑さで体調を崩しやすいので、こまめな水分補給と温度・湿度管理には気を付けなければなりません。

夏場の体調不良は急激な体調の変化がみられないため、飼い主さんも気づきにくいことがあります。

ただ、犬は季節によって食事量が増減し、夏は15~20%減り、冬は15~20%増えると言われ、少しのドッグフードを残してしまうのは心配ないですが、以前と比べて3割以上残すようになったら夏バテなどの症状が考えられます。他には睡眠時間が増えたり、歩くスピードが遅くなったりといった症状も見られます。残暑の時期でも夏バテと一緒に熱中症も併発しやすいので注意が必要です。

暑い季節の健康管理に一番効果的なのは、食事から水分を摂ることです。

人間同様、犬の夏バテも水分補給をしっかりすることが大切ですが、水を飲みすぎるのもよくなく、飲水で胃酸が薄まりすぎると、暑さで弱った胃腸にさらに負担をかけ、その結果、消化機能が低下して下痢になりやすくなります。そのため、スープが多めのフードにするなどして、食事から水分を多く取り入れることがお勧めです。水分の多い食事を嫌がる犬には、寒天やゼラチンでゼリー状にするといった工夫をしてみてください。特に体調が優れない時は、水分を多く含んだお惣菜やウエットフードもお勧めします。手軽で食べやすいので、常に2~3個保存しておくのも良いでしょう。

また、体を冷やす食材として

キュウリ、ナシ、ズッキーニ、冬瓜、トマト、スイカなどがあります。水分が多く、そのままで与えたり、手軽に調理できたりする食材です。そのほか、ビタミンB1が不足すると糖質を摂取してもエネルギーに変えられず、だるさや疲労を感じ、食欲低下を引き起こします。豚肉やマグロ、サーモン、大豆はビタミンB1が多く含まれる食材ですので、ドライフードのタンパク質を豚肉やマグロ、サーモンに変えてみたり、豆腐をトッピングしたりするのもお勧めです。ただし、暑いからと言って、冷たい食べ物は胃腸の働きを弱め、下痢などを引き起こしますので注意してください。また、暑い季節は、体を温める食材の羊肉(ラム)がタンパク質のフードやカボチャやカブの野菜を与えるのはなるべく避けてください。体に熱がこもり、体調を崩すこともあります。

まだまだ残暑が厳しい日が続きます

愛犬にも日々の食事にそのときに合った食材や調理法をチョイスし、水分量の多い食材を意識して与えてください。

 

2022年9月10日発行 CUUN 9月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次