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【フードコラム Vol.30】ドライフードの鮮度に注意

2022.07.22 HELLO! STUDIES 健康・ケア / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

愛犬の食事で最も多いのは「ドライフード」です.

気温が高くなり湿度の多い季節は特に鮮度にも注意してください。いつもと同じドライフードしか与えていないのに定期的に下痢をしたり、食欲不振が見られたりする場合はドライフードの管理に気を付けてください。

ドライフードは肉や魚の脂肪分や植物性の油脂類が含まれています。

油は空気に触れると酸化して「過酸化脂質」になり、それが体内に入ると、カラダの中の細胞を覆っている脂質を、次から次へと雪ダルマ式に酸化させていきます。増加した過酸化脂質は、細胞膜の機能を低下させ、細胞内に様々な障害を引き起こし、カラダに悪い影響を与えことが分っています。フードの酸化についてはペット栄養学会誌(2017 P156-172)が、『酸化は嗜好性低下の原因と考えられると同時に下痢などの要因となりうる』と言及し、酸化した脂肪は体で吸収する際に腸や膵臓に負担をかけるため、古くなったフードで下痢や膵炎を起こすのではないかと報告されています。

スナック類で例えれば分かりやすいと思います。 袋を開けて、すぐの物はおいしいですが、時間が経つと湿気って油も酸化し、それを食べると胸やけや胃もたれを感じることがありますが、その原因は「過酸化脂質」なのです。みなさんもこのような経験があるのではないでしょうか。

最近の良質といわれるプレミアムフードは

酸化防止剤に合成添加物があまり含まれてなく、抗酸化剤と呼ばれる天然成分(ビタミンCやビタミンE、β‐カロテンなど)で酸化を防止しています。抗酸化剤はドライフードの代わりに酸化されるものですが、効果は永久には続かないのです(油脂量や抗酸化剤の量にもよりますが、効果は開封後2~3週間ほど)。ドライフードは酸化(空気)、温度、湿度、光(日光)が天敵と言われ、これらを除くことができればドライフードは痛みにくくなりますので、保管にも注意をしてください。

体調に特に異常がなく体重も落ちていないのに、食いつきが悪くなった場合や、下痢はしているが食欲旺盛の時は、ドライフードを開封してからどの位経過しているか確認してください。目安は開封後2~3週間程度で食べきれるのがベストです。このようなトラブルの場合、ドライフードを新品に変えるだけで治るケースもよく見られます。

風味が落ちて酸化しているドライフードを与え続けると

知らない間に下痢などの体調不良の原因を作っている可能性もあるため、ドライフードの保存やサイズなどについて一度検討してみてください。健康的な毎日を送るために、新鮮なドライフードを与えることはとても大切なのです。

 

2022年6月10日発行 CUUN 6月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次