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【フードコラム Vol.27】腸内環境を整えて季節の変わり目を乗り切る

2022.05.01 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

少しずつ暖かくなるこの季節

下痢や便秘、花粉症など、体調のスッキリしない方もいらっしゃいますが、犬も同様で、特に小型犬に多く体調不良が見られますが、実は腸の動きが鈍っていることが考えられます。

消化吸収や免疫力を向上させるために重要なことは、腸内環境を整えることです。腸の主な働きは消化吸収と病原菌から体を守る免疫機能です。体の免疫機能の約60%は腸管に存在し、腸内細菌のバランスが良いほど免疫力が発達・向上します。腸内は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類から構成され、一番多いのは日和見菌(約70%)で、次に善玉菌(約20%)、悪玉菌(約10%)の順です。正常な場合は善玉菌が優勢ですが、何らかの影響で悪玉菌の増殖が進んだときに腸内環境が悪化し、腸の動きが阻害され、消化吸収されにくくなります。すると、老廃物が腸に溜まり、様々な不調が起きやすくなります。

腸内環境を整えることは

腸を正しく機能させ、食べ物の消化吸収を促し、代謝の活性化につながります。また、善玉菌が優位な腸内環境は、免疫機能が正常に働き、病原菌からの感染予防や健康維持などにも役立ち、善玉菌を増殖させることで抗体の発生量が少なくなり、アレルギー性症状の緩和や軽減に役立つとされています。

腸内環境を改善するポイントは

運動と水分摂取、バランスの良い食事です。運動をすることにより全身の筋肉に刺激を与え、血行が良くなり、水分をきちんと摂取することで、腸のぜん動運動を促し、「腸内フローラ」が活発になります。(腸内フローラとは、腸内に住む細菌の生態系を指します)毎日30分程度の散歩が効果的で水分は必要量を摂取することを心がけてください。

食事で腸内環境を改善する時には

まず食物繊維を意識することが大切で、食物繊維は「腸の掃除役」として知られ、腸内環境を整えます。野菜、果物、豆類、海藻など特に種や皮ごと食べられるもの、歯ごたえがあるもの、ヌメリのある食べ物に多く含まれています。次に腸内環境改善のキーワードは「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」です。プロバイオティクス(probiotics)は、腸内環境を良くすることによって、健康に役立つ微生物のことで、プロバイオティクス食品として、生きた菌が含まれるヨーグルトなどの発酵乳、納豆などが挙げられます。一方、プレバイオティクス(prebiotics)は、有用な腸内細菌の餌となる食品成分を摂取することによって腸内環境を改善することで、代表的なものが果物や野菜に含まれる食物繊維やオリゴ糖です。腸内フローラのバランスを整える生きた菌であるプロバイオティクスと、腸内の有用な菌の餌となるプレバイオティクスを同時に摂取することで、より効果的に腸内環境を改善し、健康増進に役立つと考えられています。ヨーグルトだけを食べさせても善玉菌を増やすことが期待はできず、そこに果物や野菜、オリゴ糖等を少々加えるだけで、腸内環境が改善されます。

腸内環境を良い状態に保つのは

運動・水分摂取と合わせてバランスの良い食事を取り入れるとより効果的です。この春からスタートしてみてはいかがですか。

2022年3月10日発行 CUUN 3月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次