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【フードコラム Vol.25】愛犬の冬の食事の注意

2022.01.22 HELLO! STUDIES 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

 愛犬の食事量は『夏少なく、冬多く』が基本

冬になると体温を維持するために必要なエネルギーが増え、そのぶん食欲も出てきます。そのため冬場はより多くの食事を取る必要があります。

日本は明確な季節の変化があり、その季節特有の注意点をしっかりと理解しておくことはとても大切です。ヒトでも、寒くなるこの季節は、食欲が湧き、美味しいもの、脂っこいものが食べたくなります。犬は、それが特に顕著で、この季節は愛犬にとってお腹が空く季節なのです。

とりわけ3歳までの若い犬は『空腹』は命に関わる大事故を引き起こしかねないこともあります。

犬は寒さに強いため、冬でも運動量豊富で元気いっぱいで、寒い冬を乗り切るためには皮下脂肪も必要なので、その分、食事量も増えていきます。十分運動もしたうえで、犬が食べたりないようであれば、この時期は食事量を増やしてあげるのが重要です。若い子(特に洋犬)は、日本の暑い夏に慣れていないため、夏の食欲が落ちることが多くみられますが、冬は夏と比べると2倍ぐらいの食事量を摂る子もいます。

暑い季節と寒い季節では、食事量を変えるのが普通のことだと理解しておくことがとても大切なのです。

飼主さんは、夏に食欲がないのでソーメンを食べ、冬はすき焼で美味しいものをたくさん食べているのに、愛犬には一年中同じ量の食事を与えるというのは、普通ではないのです。

冬場に特に多いトラブルは『誤飲』です。

犬は空腹の限界を超えてしまうと誤飲をすることがあり、消化の出来ないビニール袋やオモチャ、玉ねぎ等中毒症になるものを誤飲した場合、緊急手術になることもある危険な行動で、場合によっては亡くなってしまうこともあります。誤飲は1~3月がピークで、食べ物以外のものが消化管内にとどまると、「消化管内異物」の状態になり、何度も吐く、吐くしぐさをする、ヨダレがダラダラと出るなどの症状が出ますので、そのような症状が出た場合は、直ちに獣医師に受診してください。食べ物以外のものを食べだしたら、まず食事量に注意をし、食事の量を増やしてあげることがポイントです。

必要以上に食事を増やすと肥満の原因になります

愛犬を温かい室内で飼っている場合には、よく観察して判断してください。食事の量を少しだけ増やす場合は良いのですが、それ以上増やす必要がある場合には食事の量ではなく食事の内容を考え、質を向上させるのが重要です。普段の食事に、ゆで玉子や肉、魚、ヤギミルク等を食事全体の2割程加えてあげると良いでしょう。また、高タンパク・高脂肪のフードをいつものフードに1割程度混ぜ合わせオメガ3オイル等を少々添加してあげるのも良い方法です。小型犬の場合は温度の変化に影響を受けやすいため、食事の量の調整だけでなく、寒さ対策は十分に行うようにしてください。

食事の量は季節や年齢によっても大きく変わります。

愛犬の日々の健康状態を把握し、より快適に過ごせるように変化をつけてみてください。

 

2022年1月10日発行 CUUN 1月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次