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【フードコラム Vol.21】水分摂取で愛犬が健康になる?

2021.09.23 HELLO! STUDIES 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

「まだまだ残暑が厳しい日が続きますので、熱中症に気をつけましょう。」

と天気予報でよく耳にしますが、それはヒトだけに限らず愛犬にも言えることです。適量の水分摂取が健康の第一歩といわれますが、『どうして水分摂取が犬にはとても重要か?』をご説明します。

犬の身体は約70%が水分です。これを「体内水」と呼び、健康には体内水をケアすることが大切です。体内水は体中を循環し、臓器、血液、身体のあらゆる組織が正常に働かせることが出来るのです。例えば、筋肉の75%以上、皮膚の約70%が水分で構成され、骨も1/3は水分でできています。

 愛犬が健康を維持するためには、体内水をきちんと循環させ、その量を一定に保たなければなりません。

体内水は通常、犬は約21日(ヒトは約28日)で入れ替るといわれていますが、循環が鈍ると、トラブルの症状を招く恐れがあります。病院で検査しても病気が見つからないこともよくあり、症状が見つかったときは重症化していたこともよくある話です。その原因は「体内水の循環の悪化」が考えられ、適切に水分の摂取と排出をすることが健康的な生活につながります。例えば日常的に水分が不足すると起こる「慢性脱水症」は、軽度の脱水症状が続き代謝が落ち、皮膚被毛のトラブルや体調不良(元気がない・すぐに疲れるなど)などが起こりますが、目立った症状がないまま悪化するので厄介です。原因不明のトラブルが起きたら、『水分不足』を疑ってみてください。体内水の入れ替えで、トラブルの改善が。

また、体内水は、老化とも密接な関係があり、体内水が長期間、体内にと滞ると、細胞が活性化されず、それが病気や老化へとつながることになります。古くなった体内水は、体外に排出しなければならない老廃物も含まれているので、それが滞ると当然、不調の原因になります。そこで、新しい水をカラダに取り入れ、体内水の入れ替えをします。体内水のめぐりがよくなれば、体調がよくなってきます。大切なのは『体内水の出し入れ』です。

犬は一日に体重の10%の水分が必要です。逆に言えば一日に同量程度の体内水を入れ替えなければならない動物です。

毎日適量の水分摂取と排出が出来ると、約21日でカラダの中の水が全て入れ替ります。不調の原因=「毒素」が体外に出て、あらゆる不調が改善されることが期待されます。

ただ、水分摂取は与え方によって、カラダに悪影響を起こすこともあります。日本の夏は高温多湿なので、愛犬に冷たい水分を与えがちですが、冷たい水分の過剰摂取により、体内水の循環が滞ることがあり、胃や腸に水が残ったままで、食欲不振などになり、いわゆる夏バテを引き起こします。水分不足も問題ですが、冷たい水分の過剰摂取もカラダにとってマイナスです。

水分摂取は、単に水分を取り込むだけでなく、新しい水を体内に入れ、老廃物や不調の原因=「毒素」をカラダから排出することがとても大切なこと、すなわち体内水の入れ替えが最も重要なことなのです。

愛犬の健康は、まず『適量の水分摂取』=『体内水の循環』がキーワードなのです。

 

2021年9月10日発行 CUUN 9月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次