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【フードコラム Vol.20】クーラー病対策と食事のヒント

2021.09.09 HELLO! STUDIES 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

夏の猛暑は、飼い主さんも愛犬も体調管理が大変だと思います。

室内の温度管理で頼りになるのはエアコンですが、涼しくて快適なエアコンも使い方次第では、愛犬がクーラー病(冷房病)になることもあります。特にシニア犬は代謝と循環機能の低下で体が冷えやすく、クーラー病になりやすい傾向があります。

今回はクーラー病にならないような対策と食事のヒントをご紹介します。

愛犬のクーラー病は、

①室内と外の温度差で自律神経が乱れ、体温調節機能の低下を起こす。②冷房の冷えで血流が滞るため臓器機能が低下する。これらが原因で発症しやすくなります。

初期症状は目の充血、咳、くしゃみ、鼻水、食欲減退がみられ、悪化すると発熱、苦しそうな呼吸、多量のよだれ、下痢、嘔吐がみられ、症状が続くと脱水が進んで重篤化することがあります。異変に気付いたらすぐに獣医師に見てもらうようにしてください。

予防のポイントとして、

室内と外の温度差を意識して、エアコンで愛犬の体が冷えすぎないよう注意してください。合わせて血流が悪くならないよう適度な運動やマッサージをすること、また、冷たい食べものを避け、水や飲み物は常温で与えるなど、冷え予防と血行促進を意識してケアしてください。小型犬やシニア犬には遠赤外線マット※1などで冷え予防と血行促進のケアすることもおすすめです。

エアコンの理想的な温度設定は、

外気温のマイナス5℃といわれています。ただし、あまりに外気温が高い(35℃以上)日は、床付近(犬の体高くらい)の温度が25~28℃くらいになるように室温を調整し、エアコンの風が愛犬に直接あたらないようにしてください。風が直接あたると、必要以上に体温を奪われ危険です。サーキュレーターや扇風機で部屋の空気を循環させ、部屋の上層に溜まった暖かい空気と、下層に溜まった冷たい空気を還流させることで冷房効率が良くなり、加えて愛犬が風を感じることで心地よい涼しさを体感できます。

クーラー病予防には、

体の芯(深層部)を冷やさない」ことが大切で、体を温める効果が期待できる食べもの(温性食物)を、食事に取り入れることをおすすめします。

犬に与えても大丈夫な温性食物は

カボチャ・ニンジン・白菜・長芋・ショウガ汁などで、特にショウガ汁は50ccのスープや出汁にショウガ汁2滴程度を加えてフードにかけて与えるのがおすすめです。

逆に体を冷やす効果が期待できる食材(冷性食物)は、トマト・キュウリ・レタス・スイカなどがあり、エアコンを使用しない時に与えてください。

夏の酷暑の中で、熱中症に注意しながら冷えない対策をするのは矛盾があり難しいケアです。

特にシニア犬は暑さも冷えもダメージが大きく、飼い主さんの細やかなケアが不可欠です。愛犬と心が寄り添っているからこそ、上手にケアできることもあると思います。

涼と食で猛暑を上手に乗り切ってください。さわやかな秋風が吹くのももうすぐです。

 

※1遠赤外線マット「アルファーウェーブPET」(㈱バティーズ製)は阪急ハロードッグにて取扱がございます。

 

2021年8月10日発行 CUUN 8月号の掲載

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次