【フードコラム Vol.24】『血行を良くする』ことで低体温を防ぐ
2021.12.11
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肌寒くなるこの季節、愛犬にとっては、とても過ごしやすい時期ですが、
中には体調が悪くなる子もいます。その原因は主に低体温と言われています。犬の平熱は38℃前後ですが、体温が36℃代の子もいます。体温といえば高い印象が強いですが、実は低体温の方が命に関わる状態に陥りやすいのです。元気がなくなる、体が冷たい、肉球の異常な冷え、意気消沈、血圧や心拍数の低下、呼吸数が少なくなるなどの症状が見られることがあります。今回は低体温を防ぐポイントをまとめてみました。
犬が低体温状態になるのには様々な原因があります
血行不良が主な原因と考えられます。血液は老廃物を体内から回収し無毒化や排出を行う臓器(肝臓・腎臓など)に運ぶ働きをします。血行が良いと毒素がスムーズに運ばれ排出されます。血行を良くするにはウイルスや有害物質などの毒素を体内からきちんと排出することが大切で、栄養素がカラダの隅々まで十分行き渡ると、各組織の活動を活発にし、毒素を体内から排出します。そして、カラダの隅々に熱を行き渡らせることができるのです。
血行を良くする食事は、
糖質やタンパク質などの栄養素の他に、熱を効率的に作るビタミンを十分摂取することです。ビタミンE(カボチャやほうれんそうなどに含まれる)とビタミンCを一緒に摂取することで活性酸素を増やさない体にして毒素を体内から出し血行を良くします。ビタミンP(ヘスペリジン、ルチン、ナリンジンなどを合わせた「フラボノイド」を総称として「ビタミンP」と呼ばれます。オレンジやミカンなどの柑橘類はすべてビタミンPを含んでいます。)を摂取することで、ビタミンCの吸収を良くし、毛細血管の働を正常に保ち血行を良くします。また、納豆に含まれる酵素のナットウキナーゼは、血液中にできる血栓を溶かしできにくくする作用を持ち、血液の流れを良くします。
水分不足も血行不良の原因です。
犬は体重の10%の水分が毎日必要で、通常体内に取り込まれた水分は主に小腸で吸収され、血管に流れ込みます。しかし、水分が不足すると血液がドロドロの状態になり血管を流れにくくなるため、血行不良に繋がります。
さらに、運動(散歩等)量が少ないことや、ストレスも代謝を悪くしたり、体温をコントロールする自律神経が乱れて低体温になったりします。シニア犬ほど低体温になりやすい傾向がありますが、高齢になり運動が不足することで、筋肉の量が減り代謝が悪くなることが一つの要因と考えられます。
血行を良くするには
食事だけでなく、水分摂取や運動にも気を配るのがポイントです。カラダの隅々に熱を行き渡らせるためにも、血液をサラサラにして、血行を良くしておきましょう。
2021年12月10日発行 CUUN 12月号の掲載
阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ
ペット栄養管理士 坂田 正次