2021.04.26 HELLO! STUDIES 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /
特に「犬は炭水化物を消化することが出来ないと聞きましたが、ドライフードに炭水化物は必要なのですか?」という質問が増えています。
「ドライフードに含まれている炭水化物は、ほぼ消化することが出来き、必要な栄養素です。」というのが結論です(一部セルロースなど消化できないものもあります)。ドライフードに含まれる炭水化物の主成分は「でんぷん」で、人間は唾液に含まれるアミラーゼにより消化することができます。一方、犬の唾液にはアミラーゼがほとんど含まれていませんが、加熱によりアルファー化(糊化)されると、膵臓から出る「膵アミラーゼ」で容易に消化が出来ます。ただ、アルファー化された「でんぷん」は冷めてしまうと消化しにくくなりますが、ドライフードは高温のままで水分を抜き、アルファー化したままの状態で製品になるので、消化が容易にできるのです。
とよく言われます。2013年1月にイギリスの科学雑誌「ネイチャー」の論文で、犬は狼より効率的に「でんぷん」を消化吸収できる能力があり、人間と暮らしていくなかで、穀物消化機能を高め、狼と消化吸収機能が異なり「肉食に近い雑食」と発表されました。犬と狼が消化吸収能力の違いがある以上、遺伝子がほとんど同じという理由で狼と同じ高タンパク、高脂肪、低糖質の食事が良いというのは誤りであると考えられます。
炭水化物の主成分である「でんぷん」は体内でブドウ糖に変換され、即効性のエネルギー源となります。また、小腸で吸収されなかった炭水化物や消化されないセルロースなどは、乳酸菌など腸内フローラを良好にする腸内細菌のエサとなるので、良好な腸内環境を維持するためにも、大切な栄養素なのです。もし、糖質(炭水化物)が不足してもエネルギー源は、肝臓で脂肪から糖質に変わること(糖新生)が出来ますが、肝臓に大きな負担がかかり、トラブルになるリスクがあるため、犬に適量の炭水化物を与えることは必要なのです。
栄養バランスが良いドライフードは、必要な炭水化物、タンパク質、脂質等を効率よく摂取でき、また、保存性も高く、お勧めできます。
大切な家族の愛犬が健康で長生するためにも、ごはんの事に目を向けることは大切なことですね。
2021年3月10日発行 CUUN 3月号の掲載
阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ
ペット栄養管理士 坂田 正次