2020.11.14 HELLO! STUDIES 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /
食事が原因で皮膚トラブルになる場合も多く、これは食品や添加物に異常な反応を起こす『食物有害反応』のことで、食べ物が原因で身体に悪影響が出ることです。
『食物有害反応』は大きく分けて二つに分類することができます。
『免疫化学反応』は、よく言われる「食物アレルギー」のことで、食べ物の中にアレルギー原因となるタンパク質が含まれる場合、それを摂取することにより、身体に様々な症状を引き起こし、「免疫の異常反応」が関係しています。過去に食べた物に関連が高く、食べたことがない物には反応することは余りありません。
『非免疫化学反応』は「食物不耐性」と呼ばれ、「特定の食べ物を分解する消化酵素がない」「特定の化学物質を身体が処理できない」などです。例えば、牛乳を飲むとお腹を壊す「乳糖不耐性」もその一つで、過去に食べた物の関連性が低く、食べたことがない物でも下痢や消化不良などの消化器症状が現れるといわれています。
どちらも皮膚の痒みや炎症、下痢や軟便、嘔吐などの症状が出て、「食物アレルギー」や「食物不耐性」は基本的には「食べているもの」「食べたもの」に反応があり、もし下痢や嘔吐などの症状がある場合は、日頃の食事やオヤツを把握できているとスムーズに獣医師の診断が受けれます。今食べているフードやオヤツのパッケジや成分表を写真に撮っておけば、より説明がしやすくなります。
肉類や魚などの動物性タンパク質、小麦や米、豆類など多くの食品が原因となる可能性があります。アレルギーを持つ犬は1つの食物にだけ反応することは珍しく、ほとんどが複数の食物に反応して、アレルギーの程度は「ごく軽症」から「重症」なものまで様々です。
この質問は相談会でもよく頂きますが、「ある程度までしか、わからない」というのが答えになります。それは、血液検査でわかるのは『アレルゲン(アレルギーの原因物質)』に対して、体がどれくらい反応しているかを「だいたいこのくらいの指標(抗体価)」で知ることが出来る検査だからです。その指標に抗体価(アレルギー(抗原)に対して対抗する物質(抗体)の力価(量や強さ)のこと)が用いられ、基本的には抗体価が高いほどアレルギー反応が起こりやすいと考えられています。ただ、その抗体価の高さだけでは症状が出るかは判断できないのが事実で、血液による食物アレルギー検査は、アレルギー反応の「参考」にするために行われるものです。
「その食物を食べて反応が出るか(出ていたか)どうか」ひとつずつが診断していく方法です。とても単純な方法ですが、とても大事なことです。丁寧に確認していく必要があり、一番確実です。もし、慢性的な皮膚トラブルや消化器症状、呼吸器症状がある場合は、専門の獣医師に相談して食事の内容を検討してみるのも改善に向かう良い方法かも知れません。
愛犬の楽しみの半分は食事ですが、その食事が愛犬を苦しめることになるのは飼い主さんにと取ってはとてもつらいことです。
愛犬のためにも食事を一から見直しても良いかの知れませんね。
2020年11月10日発行 CUUN 11月号の掲載
阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ
ペット栄養管理士 坂田 正次