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【ハロードッグコラムVol.2】酸素カプセルってなに?

2023.06.18 健康・ケア / その他 / 西宮阪急店 / うめだ阪急店 /

阪急ハロードッグ西宮店、ソリオ宝塚店に設置されている

ワンちゃんと飼い主さんが一緒に入れる『酸素カプセル』。この酸素カプセルがどのようなものかご存知ですか?

酸素カプセルは『1.2気圧に気圧を上げる”だけ“の部屋』です。正式名称は『高気圧酸素室』といいます。私も説明を聞くまでは”酸素が一杯に満たされた部屋”と思っていました。

では、1.2気圧に気圧を上げるとどうなるのか?

炭酸飲料をイメージしていただくとわかり易いと思いますが、炭酸飲料は飲み物の中に二酸化炭素が圧力を上げて封じ込めている状態です。なので、開封直後はシュワシュワ感が強く、開封した直後から1気圧の世界に戻り、時間がたつにつれ、だんだんと“気が抜ける”状態になるわけです。気圧が上がると、液体に溶け込む気体の量が増えます。具体的には1.2気圧に気圧を上げると、体内に溶け込む酸素の量が計算上2倍くらいになるようです。

体の血管の9割以上が毛細血管と言われ、

細胞(ミトコンドリアなど)は毛細血管から運ばれた酸素を必要としています。通常、酸素は赤血球にくっついて全身に運ばれます。これを『結合型酸素』と言い、血液中の酸素の98%がこれに当たると言われています。1気圧の状態では赤血球にくっついてしか酸素は運べず、どんなに大量の酸素を吸っても、赤血球にくっつく分までしか体内の酸素濃度を上げることができません。

それに対し、血液中のもう一つの酸素として、水に溶け込んでいる『溶解型酸素』があります。血液中の2%存在すると言われているのですが、実際に細胞(ミトコンドリアなど)に運ばれる酸素はこの『溶解型酸素』です。『溶解型酸素』は、赤血球や血管の広がりと関係なく、血液に乗って末端の細胞まで運ばれます。『溶解型酸素』が多くなると、細胞の代謝が上がり、結果として血管も広がってくれるので手先が温かくなります。血流が上がってポカポカするとリラックス効果が出るので、眠くなることもあります。また、筋肉などすべての細胞に届く酸素の量が増えるので、肩こり・腰痛なども楽になることが多いようです。

シニア期のワンちゃんは冷え性が多く

酸素カプセルに入ると血液循環が良くなり、手先や耳がポカポカしお腹の皮膚がピンク色になる子もいます。酸素カプセル内で熟睡する子やその日の晩にとてもよく寝てくれる子が多いようです。病気を抱えているワンちゃんは貧血を伴っているケースが多いのですが、『溶存型酸素』は赤血球の力を借りずに酸素を隅々まで運んでくれるので効果が期待され、体が楽になり食欲が出て元気が出る子もいます。また、細胞の代謝が上がるので、傷や骨折の回復が早くなります。骨折の回復については、人においてかなりたくさんの論文やデータがあります。

酸素カプセルは病状に対しての緩和目的だけでなく、体内の酸素量が増えることで体温が上がり、それに伴い免疫力の向上や新陳代謝が上がり、疲労回復やリラックス効果が期待できますので健康維持にもお勧めします。愛犬の健康を考えてもらいながら、飼い主様も一緒に健康になってもらえる素晴らしいアイテムが酸素カプセルです。ただし、ご利用する際に気をつけなければならない点もありますので、スタッフにお問い合わせ下さい。

 

阪急ハロードッグ フードコンシェルジュ

ペット栄養管理士  坂田 正次